ブログ久々の登場となります、ドクターソルトです。私の所属する糖尿病・内分泌内科は、この8月に『糖尿病腎症重症化予防外来』を設立いたしましたが、立ち上げに至った経緯をご紹介します。


図1
                          
                           図1

 透析を必要とする患者さんは年々増え続け(図1)、人口に占める透析患者の割合は0.2~0.3 %までになっています。透析医療費は患者さん一人当たり年間500万円ほどになり、全医療費の10%を占めるまでになっています。そのため、規模の小さい国民健康保険(国保)は、透析医療費の負担のため破綻の危機に瀕しています。現在の健康保険制度の維持のため、透析患者の増加に歯止めを掛けることが緊急の課題となっています。

図2

                           図2

 透析の原因疾患の第一位は糖尿病腎症であり、新規導入の4割を占めています(図2)。平成18年発足の松江地域糖尿病対策会議では、透析患者の増加に歯止めを掛けるべく、私が部門長をしている診療部門内に、平成23年糖尿病腎症重症化予防委員会を設置し(図3)、開業医、一般市民への啓発などの対策事業を始めました。

図3 (400x224)


                      図3

また、平成24年度は非専門開業医と専門医療機関との連携で、地域全体で協力して、糖尿病腎症の患者さんを診ていく仕組みを作ることになりました。
 腎症の患者さんを非専門医から専門医療機関に紹介していただき、専門医療機関での指導の後は、軽症患者さんは非専門医で、重症患者さんは専門医療機関、或は専門医療機関との併診で診て行く仕組みが作られ、この8月から運用が開始されました。
 当科では、松江地域での糖尿病腎症重症化予防対策事業に呼応するため、8月から新たに『糖尿病腎症重症化予防外来』を立ち上げました。従来の外来でも腎症の患者さんを診ていましたが、専門の外来を立ち上げることにより、今後松江地域で増加が予想される腎症紹介患者の受け皿とし、また一方、腎症重症化予防に対しての地域での認知度を上げることも意図して、糖尿病腎症重症化予防外来と銘打つことにしたのです。
 今年度の診療報酬の改定でも透析予防は重点項目とされ、糖尿病透析予防指導管理料350点が新設されています。十分な指導経験を有する医師、看護師、栄養士が指導にあたるとする施設基準をクリアして、当院は4月に中国医務監より施設認定を受けました。糖尿病教育チームでの検討会、事務方との調整と電子カルテの対応整備を行い8月から算定を開始しています。そのため、糖尿病腎症の患者さんに医師、看護師、栄養士がチームとして指導を行った場合に、糖尿病透析予防指導管理料として、患者さんには3割負担で1000円程度の負担をお願いしています(写真1)。

透析予防チーム (400x300)

         写真:糖尿病腎症重症化予防外来チーム

 一年間に指導管理料を算定した患者さんの人数、状態の変化等について報告する義務があり、結果を出すことが求められる医療機関にとって厳しい管理料ではありますが、地域の糖尿病の中核病院として真剣に取組まねばならない指導管理と考えております。

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2012.10.12 Fri l 診療 l top