東日本大震災の救護班で出動した理学療法士の足川です。

震災が起こってから数日・・・。
「いてもたってもいられない」という気持ちでおられた方は多かったのではないでしょうか?
僕もその一人です。

「リハビリテーション」というと、災害直後には関係ないように思われがちです。
「そんなのしばらく経ってから必要になるもの」・・・と思われている方も多いかもしれません。
たしかに人命救助が第一選択として考えられるのは当然なのですが、急性期の病院で働く理学療法士としては、「役に立てる筈だ」という強い思いがありました。
たとえば避難生活を考慮すると、床ずれ(褥瘡)の予防、肺炎の予防、運動不足の改善、生活環境の改善、心身のリラックスなどに対して働けると思います。
また、被災地に向かわれた人たちのストレス解消のためにも役立つと思います。
また、当然のことなのですが、現地には元々リハビリを必要とされていた方や、震災後に病気を発症しリハビリを必要とされている方も多い筈です。
「リハビリテーション」を必要としている方が多いと思われるなか、対応できる理学療法士は数的には決して足りているとは言えないでしょう。

地震、津波の被害が大きく伝えられてから、私は赤十字職員として、現地への派遣の要請がきたらすぐに向かいたいという気持ちでした。
しかし被災から1週間、2週間経っても「理学療法士」に対する要請は来ませんでした。自治体や支部からの要請は一向に来なかったのです。
私が現地に向かえたのは、4月7日。帰着は4月11日でちょうど被災後1ヶ月となる日でした。
「理学療法士」ではなく、「主事」という事務要員として行かせていただきました。
直接的に理学療法士としての仕事をするわけではなくても、理学療法士としての目を持ち現地を見てきたいと思いました。

救護班第6班1

現地の凄惨さは、「報道にある通り」とはいきませんでした。
情報に触れるのと、自分自身が触れるのとでは全く違うのだと痛感しました。
すぐ目の前に船がせり出し、家々が沈み、天地をかき回したような光景が広がっているのです。
そして、人々はそこで生活をされているのです。
自分自身が被災地のただ中にいることは絶え間なく続く余震とともに感じることができました。
今上陛下が「人々の雄々しさ」と評されたお言葉のとおりに、現地の方々はたくましく生活しておられました。
逆にそのたくましさ故に、不安を内に隠してしまい、外部からは大丈夫だと評されてしまう方もおられました。
それは一軒一軒の家をまわらせてもらい現地の状況を調査し診療する中で対話を通しやっとわかってきた状況でした。

救護班第6班3

救護班第6班2


今回の救護班の活動を通して、「救護」や「復興」というのは、社会や地域を対象とするのみではなく、まさに一人一人に対して、個々に対して力が向かわなければならないのだと強く感じました。

2011.07.25 Mon l 赤十字の活動 l top